風俗店の広告や宣伝には、一般のお店にはない規制があります。ホームページやSNSも広告・宣伝の一つとして扱われるため、知らないまま運用していると、思わぬ指導や、媒体での掲載停止につながることがあります。
この記事では、風俗店がホームページやSNSで広告・宣伝をするときに知っておきたい規制と、表示・表現の注意点を解説します。具体的な判断が必要な場合は、営業所を管轄する警察署や、専門の行政書士・弁護士に確かめてください。
- 性風俗関連特殊営業の広告・宣伝では、18歳未満の利用・立入りを禁じる旨を明らかにすることが求められる
- 学校の周りなど、条例で広告物の表示やビラの配布が制限される区域がある
- 料金や割引の表示は、景品表示法の考え方にも気をつける
この記事でわかること
風営法と広告・宣伝の関係
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)では、ソープランドやファッションヘルスなどの店舗型、デリヘルなどの無店舗型の性風俗関連特殊営業について、広告・宣伝のしかたに規制を設けています。営業の届出の書類でも、インターネットを含む広告・宣伝の方法や、そのときに18歳未満の者の利用を禁じる旨を明らかにする方法を記載する欄があります(神奈川県警察の届出書式)。
18歳未満に関する表示
店舗型性風俗特殊営業を営む者は、文字などで広告・宣伝をするとき、18歳未満の者が営業所に立ち入ってはならない旨の文言を、見やすいように表示しなければならないとされています(鳥取県の解説)。無店舗型についても、広告・宣伝のときに18歳未満の者の利用を禁じる旨を明らかにする方法が、届出の項目になっています。
- ホームページトップページなど見やすい場所に、18歳未満の利用・立入りを禁じる旨を表示する
- SNSのプロフィールプロフィールなどに、18歳未満の利用ができない旨を記載する
- ビラや看板文字の広告には、同じく18歳未満に関する表示を入れる
- 年齢確認ホームページの年齢確認は、表示の一つの方法として使われることが多い
年齢確認を表示する場合は、作り方によってGoogleが本文を読めなくなることがあります。表示の義務を守りつつ、検索にも対応する方法は年齢確認ページSEOチェックツールのページで解説しています。
広告物の表示が制限される区域
性風俗関連特殊営業の広告物は、学校の周りなど、法律と都道府県の条例で定める区域では表示できません。ビラなどを青少年に配ることも条例で禁じられている地域があります。区域の範囲は都道府県ごとに違うため、営業する地域の条例を確かめておく必要があります。
料金や割引の表示と景品表示法
料金や割引の表示は、景品表示法の考え方にも気をつけます。実際よりも著しく安い、または有利だと誤解させる表示は、問題になるおそれがあります。
誤解を招きやすい表示
- 追加料金がかかるのに「総額〇円」と書く
- 根拠のない「業界最安値」「No.1」
- 常に適用される料金を「期間限定」と書く
- 在籍していない女の子の掲載
誤解を避ける表示
- 追加でかかる料金を一覧で示す
- 比べた条件と根拠を添える
- 割引の期間と条件をはっきり書く
- 在籍の情報を最新に保つ
媒体ごとの規約にも従う
法令とは別に、ポータルサイト、SNS、広告サービスには、それぞれの掲載基準や利用規約があります。法令では問題がなくても、規約に反すると掲載の停止やアカウントの凍結につながります。
| 媒体 | 気をつけたいこと |
|---|---|
| ポータルサイト | 媒体ごとの掲載基準。写真や表現の制限 |
| X(旧Twitter) | 性的なサービスの取引の仲介の禁止、成人向けの内容への警告の設定 |
| Google広告など | 性的なサービスの広告は原則として出せない |
| 求人媒体 | 年齢の条件や、給与の表示に関する基準 |
ホームページで確かめたい項目
- 18歳未満の利用・立入りを禁じる旨が、見やすい場所に表示されているか
- 料金に、追加でかかる費用がすべて書かれているか
- 根拠のない「最安」「No.1」などの表示がないか
- 在籍や出勤の情報が実態と合っているか
- 届出の内容と、広告で使っている呼称や電話番号が合っているか
表現の見直しに使えるチェック表
| 確かめること | 避けたい例 | 見直しの例 |
|---|---|---|
| 18歳未満に関する表示 | 年齢を若く見せることを売りにした表現 | 年齢確認と、18歳未満は利用できない旨の表示 |
| 料金の表示 | 「〇〇円ポッキリ」なのに、別の料金がかかる | 追加の料金も含めた総額の目安を書く |
| 割引の表示 | いつも同じ割引なのに「本日限り」と書く | 期間と条件をありのままに書く |
| 比較・順位の表示 | 根拠のない「No.1」「地域最安」 | 根拠を示せる事実だけを書く |
| 接待飲食営業の宣伝 | 営業成績や上位の役職を強調する | 人柄や雰囲気、料金の分かりやすさで伝える |
ホームページ、SNS、ポータルサイト、看板やチラシなど、媒体ごとに表現が違うと、どこかに古い表現が残りがちです。表現を見直すときは、すべての媒体をまとめて確かめましょう。
よくある質問
営業の届出の書類で、インターネットのURLが広告・宣伝の方法として記載する項目になっていることからも、ホームページは広告・宣伝の一つとして扱われると考えておくのが安全です。
キャバクラなどの接待飲食等営業と、性風俗関連特殊営業では、規制の内容が異なります。自店の営業の種類に応じた規制を、管轄の警察署などで確かめてください。
営業所を管轄する警察署の生活安全課や、風営法に詳しい行政書士・弁護士に相談するのが確実です。この記事は一般的な解説であり、個別の判断を示すものではありません。
風俗店のホームページやSNSは、集客の道具であると同時に、法令の規制を受ける広告・宣伝でもあります。
18歳未満に関する表示や料金の書き方は、守っていて当たり前の部分ですが、サイトのリニューアルや媒体の追加のたびに抜けてしまうことがあります。SEOやSNSの施策も、この土台の上に成り立っています。
判断に迷う点は、管轄の警察署や専門家に確かめながら進めてください。